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映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』


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『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

 

 笑って、ちょっと、いや、かなり考えさせられるエンタメ政治劇
 

 タイトルからしインパクト強すぎるこの映画、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』。正直、最初は「なんだこのネタっぽい企画!?」と軽い気持ちで観始めたけど、思ってたのとはぜんっぜん違った。笑えるし、エンタメ性バッチリなんだけど、同時にけっこう考えさせられる部分もあって、想像以上に“骨太”な作品だった。

 

 この作品を知ったのはテレビのCМだったんですが、予告としてはコメディ色がかなり強く、かなりB級映画っぽい雰囲気だった。「ああ、こういう系ね。今までも擦られまっくった内容かな」って思ってました。まあでも、キャストを見ると、かなりの主役級揃い。特に僕は江口のり子さんが好きで、他にも赤楚英二、竹中直人GACKTなどのそうそうたるメンバー。さらには徳川家康役には狂言師野村萬斎野村萬斎か。この人がB級映画に出るのか?というほのかな期待が頭に浮かびました。

 

 「まあとりあえず見てみよう。初めの10分で入り込めなければ見なくていいや」なんて思ってました。お前何様だよですよね(笑)

 

 そんなわけで映画館に行くまでではないかもしれないにしろ、ⅮvⅮになったら見ようって決めていました。


 ざっくりストーリー:歴史×政治×AIというカオスな組み合わせ
 舞台は“危機的状況の日本”。国民の政治不信、格差、少子高齢化、経済低迷、さらには、コロナ渦中という、問題いろいろ限界を迎えつつあるこの国を立て直すために、政府が極秘で実行したのが「プロジェクト維新」。それはなんと、AIで歴史上の偉人たちを現代に“蘇らせて”政治をやらせるという前代未聞の計画。

 

 そこで登場するのが、徳川家康織田信長坂本龍馬聖徳太子など、日本史に名を残す超ド級のメンバーたち。彼らが現代の日本をどう見るのか、どんなふうに政治をやるのか。


 徳川家康が総理になる、ってどういうこと?
 主役はタイトルどおり徳川家康。演じるのは先程言ったように野村萬斎さん。やっぱりこの人の存在感ってズルい。落ち着いてて、でも芯の強さがあって、「ああ、そりゃ260年も幕府やるわ」って思わせる説得力がすごい。

 

 家康が現代の日本に放り込まれて、まずやることが「政治の基礎固め」。つまり、信頼を取り戻し、制度を見直し、国を“再建”する。口だけじゃなくて、ちゃんと地道にやっていく姿が、現代のリーダー像と対比されていてグッとくる。

 

 あと個人的にツボだったのは、AIによって再現されたとはいえ、家康が持ってる“現代人にはない視点”がめちゃくちゃ面白かった。今の政治家とは全く価値観が全然違う。そこがかなり新鮮だった。


 豪華キャストが演じる“歴史ドリームチーム”が楽しい!
この映画、キャスティングがほんとに豪華。織田信長役のGACKTとか、坂本龍馬役の赤楚衛二豊臣秀吉役の竹中直人紫式部役の観月ありさ、北条雅子役の江口のり子。ほかにも書ききれないくらいの個性豊かな俳優陣。クセ強すぎて笑うしかないんだけど、ちゃんとハマってるのがすごい。

 

 信長は相変わらず「力で押し切るタイプ」で、龍馬は「理想と改革の人」。こういう「キャラ立ち」も観てて楽しいし、歴史の授業で習った知識がうっすら蘇ってくるのも、地味にうれしい。

 

 あと、現代側のキャストも見逃せない。浜辺美波が演じる報道キャスターの目線から語られることで、視聴者との距離感がぐっと縮まる。


   笑える。でも、それだけじゃない。
 こういう設定って、どうしてもギャグっぽくなりがちだと思うんだけど、この映画はそれだけじゃなかった。ちゃんと「今の日本」に対する問題意識があって、それがコメディの奥にしっかり見えてくる。

 

 特に印象に残ったのは、「国民が政治に興味を持たないのは、誰の責任か?」という問い。家康は、国民に信じてもらうためには、まず政治家が“命をかける覚悟”を見せなければならないと言う。そこにものすごく重みがあって、たしかに…と考えさせられた。

 

 AI×偉人、という未来的すぎる設定なのに妙にリアル
 “偉人をAIで復活させる”って、完全にフィクションの世界なんだけど、映画の中ではその技術がすごく丁寧に描かれてて、納得感がある。AIが過去の文献や記録から人格や判断基準を構築していく…って説明が、妙にリアルだった。

 

 そして、「もし今の時代に彼らがいたらどう政治をするか?」という問いに対して、きっちり“答え”を出してくれるのも、この作品の強み。エンタメで終わらせないバランス感覚がうまい。


 メッセージ性もちゃんとある
 最終的にこの映画が言いたいのは、「誰が政治をやるか」よりも、「どんな覚悟で、どんなビジョンを持って政治をやるか」ってことなんだと思う。家康たちが見せるのは、個人的な野心じゃなくて、国家全体をどう守り抜くかという“責任感”。それがと姿勢を正されるような気持ちになる。

 

 まとめ:想像以上に深い“もしも”の物語
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』、タイトルからはふざけた感じに見えるけど、中身はかなりしっかりしてる。エンタメとしても面白いし、メッセージもあるし、考えさせられるポイントもある。いわば「笑って観られるけど、観終わったあとにちょっと黙っちゃう系映画」。

 

 AIとか歴史とか政治とか、ふだんあんまり接点がないジャンルが混ざってるけど、それが意外と違和感なくまとまってるのもお見事。ちょっと変わった邦画を観たい人にはすごくおすすめ。あと、政治に興味ないって人にもぜひ観てほしい。絶対、なにかしら引っかかるものがあると思う。

 

 物語の最後に、徳川家康役の野村萬斎さんのかなりの長台詞がある。

 

 この作品の言いたかったことがここに集約している。日本にコロナが蔓延し、日本の、いや、世界の経済が落ち込む世の中。

 

 しかしこの世の中を良くするのは、政治家ではなく、国民一人一人なのではないか。

 

 誰もがこんな世の中を人のせいにしているのではないか。

 

 この映画を見た後、胸にグサッとナイフが刺さったような感覚になった。僕も誰かのせいにしながら世の中を恨んでいるかもしれない。

 

 まずは自分のできることをする。これが一番大事なのではないかな。

 

ストーリー      ★★★★☆

(非現実な内容が嫌いじゃなければ)

    キャラクター    ★★★★★

(これは間違いなく満点。観月ありさ出演にびっくりした。)

  心に刺さる度   ★★★★☆

(個人的にはかなり刺さった。どの世代にも見てほしい)

    おすすめ度    ★★★★☆

(前半は流し見してしまうかも。ギャグ要素ちょっと多い)

    総評       ★★★★☆

(満点ではないが好きな人は好きだと思う)

 

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