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映画『すずめの戸締り』


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「すずめの戸締まり」感想:新海誠の新たな扉

 

 新海誠監督の「すずめの戸締まり」は、まさに“扉”をめぐる物語だが、単なるファンタジーではない。震災の記憶、日本の風景、そして人と人とのつながりが巧みに織り込まれた作品だ。今回のレビューでは、映画の魅力を深掘りしながら語っていこうと思う。

 

 1. 旅する少女と椅子の彼氏!?
 まず、この映画の一番の特徴は「椅子の彼氏」ではないだろうか。主人公・すずめの前に突然現れるイケメンの青年・草太。しかし、彼は呪いを受けて“椅子”になってしまう。そう、椅子。まさかの三本足のボロ椅子。

 

 新海誠作品はこれまで数々の美しい恋愛を描いてきたが、「片方が椅子」というのはさすがに想定外だった。しかし、見ているうちに不思議と愛着が湧いてくるのだから、さすが新海マジック。すずめと椅子(草太)のコンビが繰り広げる旅路は、ユーモラスでありながらもどこか切ない。

 

 2. 日本各地の風景と「戸締まり」
 君の名は。「天気の子」でも美しい風景描写が話題になったが、本作でもそのクオリティは健在だ。

 

 すずめと草太は“災い”を封じるために、日本各地の「閉じ師」として扉を閉めていく。その過程で訪れるのが九州、四国、関西、東北など、まるで日本縦断のロードムービーのような展開になる。特に印象的だったのは、廃墟となった場所に現れる「後ろ戸」。どこか寂しさを感じさせる風景と、そこに息づくかつての人々の記憶。新海監督は、ただ美しいだけでなく、日本の「忘れられた場所」にも光を当てているのが素晴らしい。

 3. ダイジン、かわいいのに怖い!?
「すずめの戸締まり」で欠かせないキャラといえば、猫のダイジンだ。第一印象は「可愛い!!」なのに、言動は「怖い!!」という、ギャップの塊。最初はミステリアスな存在として登場し、「すずめ、好き!」と無邪気に語るが、実はとんでもない災厄をもたらす存在でもある。まるで「天気の子」のアメ猫・アメに匹敵するような、可愛さと不気味さを併せ持ったキャラだった。特に、草太を椅子に変えてしまうシーンのインパクトは絶大で、「猫、何してくれてんの!?」と観客全員が思ったことだろう。

 

 4. 震災の記憶と向き合う物語
 本作の核心には、2011年の東日本大震災の記憶がある。すずめ自身も幼少期に震災を経験し、母を失っている。そして、彼女が旅をする中で、地震という災害がいかに人々の日常を脅かしてきたかが描かれる。作中では「ミミズ」と呼ばれる巨大な災厄が地面から現れ、それが地震を引き起こす設定になっている。これはただのファンタジーではなく、現実の震災へのオマージュとして描かれているのだろう。

 

 特に印象的だったのは、すずめが「過去の自分」と対話するシーン。震災で母を失った幼いすずめに、成長したすずめが寄り添う。この場面は涙なしには見られない。新海監督は、「震災の記憶をどう未来へつなげるか」というテーマを、この映画を通じて観客に問いかけているように感じた。

 

 5. 新海誠ワールドの進化
 「すずめの戸締まり」は、これまでの新海作品と比較しても、かなり独特な作品だ。君の名は。では時空を超えたラブストーリー、「天気の子」では異常気象と恋愛が絡む話だったが、今作は“冒険譚”の要素が強い。また、これまでの作品よりもキャラクターの掛け合いや旅のエピソードにユーモアが多く、全体的にテンポが良い。

 

 また、すずめの成長物語としての側面も強調されている。彼女はただの少女ではなく、過去のトラウマを乗り越え、世界を守るために行動する。新海作品のヒロインはいつも強い意志を持っているが、すずめはその中でも特に「自分の道を切り開く力」を持っているように感じた。

 

 6. まとめ:扉を閉じることで開く未来
「すずめの戸締まり」は、ただのファンタジー映画ではない。震災の記憶と向き合いながら、喪失と再生の物語を紡ぐ作品だ。ユーモアとシリアスが絶妙に絡み合い、美しい風景とキャラクターの魅力が満載。そして、観終わった後には「自分自身の戸締まり」を見つめ直したくなるような、不思議な余韻が残る。

 

 個人的には深海アニメの中では一番だった。ネットで調べると、結構賛否両論あるみたいですが、両方の意見があるということは、それだけ多くの方に注目されたということですよね。

 

 もうすでにテレビでも放送されたので、たくさんの方が見ている作品だとは思いますが、僕は映画館で二回鑑賞して、DVDは一度、そしてテレビの放送ももちろん見ました。それくらいどっぷりはまった。

 

 まだ見ていない方はもちろん、一度しか見ていない方、見れば見るほど新しい発見ができるくらい、難しくないけど、奥深いと思うのでもう一度見てみませんか?

 

 あとね、すずめの名前の由来が日本の神話だったり、地震が起きる場所には深い意味があったり、かなり裏設定があります。考察すればするほど鳥肌が立つような設定付けがマジでヤバイ。もちろん深海監督が公言しているわけではないところもたくさんあります。しかし、もしかしたらこういうことなのかもしれないって、考えながら見るのも楽しいです。

 

 物語の終盤、この物語の裏の主人公ダイジン、いったい何者なのか。ただのしゃべれる猫?本当の目的は?

 

 ダイジンに見ている人全員心をぐっちゃぐちゃにされます。もう感情が⇧⇩⇧ こうなりました。

 

 最後に一言だけ言わせてほしい。

「椅子で泣く日が来るとは思わなかった。」

 

 

ストーリー      ★★★★★

(だらけず見られる)

    キャラクター    ★★★★★

(声優さんがうますぎる)

  泣ける度     ★★★★☆

(どっぷり泣けます)

    おすすめ度    ★★★★☆

(もうテレビでも放送されたしもう見てるよね)

    総評       ★★★★★

(鬼滅の刃に並ぶくらい好き)

 

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