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漫画『封神演義』

今回はちょっと趣向を変えて、あまり漫画を読まない僕がほぼ唯一読み切った漫画、封神演義を紹介したいと思います!

 

封神演義』――古代中国の神話とバトルが融合した名作漫画の魅力
  藤崎竜の『封神演義』は、1996年から2000年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、今なお多くのファンに愛され続ける作品だ。原作は中国の古典『封神演義』だが、藤崎竜の手によって大胆にアレンジされ、独自の世界観が築かれている。古代中国を舞台にしながらも、どこか近未来的なデザインや、独特なキャラクター造形、斬新なストーリー展開が魅力的で、まさに“藤崎竜封神演義”と呼ぶにふさわしい作品だ。本記事では、そんな『封神演義』の魅力を、ストーリー、キャラクター、バトル、哲学的テーマの4つの視点から語っていこう。


 1. ストーリーの大胆な改変とスピード感
封神演義のストーリーは、殷王朝末期の中国を舞台に、仙人たちの戦いを描くものだが、藤崎版は原作を大幅にアレンジし、より少年漫画的なダイナミズムを持たせている 

 

 主人公・太公望は、原作では軍師的な立場だが、藤崎版では「道士としての使命感に乏しい、軽妙な策士」として描かれ、読者を驚かせた。彼は「面倒くさい戦争をサクッと終わらせたい」と考え、独特のユーモアと知略で敵を翻弄する。この軽妙なノリとシリアスな展開のバランスが絶妙で、物語を飽きさせない。

 

 また、原作では封神計画の進行が長期にわたるが、藤崎版ではスピーディに展開する。妲己率いる殷王朝の圧政が強調され、太公望がそれにどう立ち向かうのかがテンポよく描かれる。特に、物語序盤で趙公明が登場し、彼が一気に封神される流れは、原作を知る者には衝撃的だっただろう。このスピード感こそ、藤崎版の大きな魅力の一つだ。


 2. 独特なキャラクター造形と魅力
封神演義』の最大の魅力は、なんといっても個性的なキャラクターたちだ。藤崎竜は、シンプルなキャラデザインの中に強烈な個性を宿す名手であり、どのキャラも強く印象に残る。

 

 まず、主人公・太公望のキャラ造形が秀逸だ。彼は少年漫画の主人公としては異色で、熱血でもなく、力押しのバトルもしない。だが、その冷静さと飄々とした態度の裏に、実は深い覚悟を持っている。読者は、彼のコミカルな一面に笑わされながらも、時折見せるシリアスな表情に心を打たれるのだ。

 

 また、妲己のキャラも際立っている。藤崎版の妲己は、原作よりもさらに妖艶で邪悪だが、その狂気が魅力的だ。彼女の悪役としての完成度は非常に高く、単なる「悪」ではなく、「圧倒的なカリスマを持つ敵」として存在感を放っている。妲己が支配する殷王朝の異様なビジュアルは、まるで悪夢のようで、その世界観が彼女の恐ろしさをより際立たせている。

 

 さらに、普賢真人楊戩申公豹といったサブキャラたちも、それぞれが強烈な個性を持ち、物語を盛り上げる。特に申公豹は「道士なのに道を嫌う」という矛盾を抱えたキャラクターで、彼の登場シーンはどれも強烈だ。

 

 3. バトルの魅力と戦略性

 『封神演義』のバトルは、単なる力と力のぶつかり合いではなく、知略を駆使した戦いが魅力的だ。太公望は力押しのバトルを好まず、策略を巡らせて相手を罠にはめる。このスタイルが、少年漫画の王道バトルとは一線を画し、独自の魅力を生んでいる。

 

 また、道具(宝貝を使った戦闘が特徴的だ。キャラごとに異なる宝貝を持ち、それをどう活用するかがバトルの鍵となる。たとえば、普賢真人の「金霞冠」は敵の攻撃を反射する能力を持ち、これを利用した戦略が見どころとなる。一方で、戦闘においてはシンプルな力関係だけではなく、「相手の心理を突く」「罠にはめる」といった要素も重要で、単純なパワーバトルにはない面白さがある。

 

 特に、聞仲との戦いは圧巻だ。聞仲は圧倒的な力を誇り、太公望たちを圧倒するが、そこにどう戦略を絡めるかが見どころとなる。このように、バトルの組み立てが知的であり、読者を飽きさせないのが藤崎版『封神演義』の魅力だ。

 4. 物語に込められた哲学的テーマ

封神演義』は単なるバトル漫画ではなく、深いテーマ性も持っている。その一つが「運命とは何か?」という問いだ。

 

 封神計画は、「運命に定められた者を封神する」という目的を持つ。しかし、その運命に抗う者たちが登場し、物語は単純な勧善懲悪ではなくなる。太公望自身も、封神計画を遂行する中で、自分のやっていることが本当に正しいのかを何度も悩む。この葛藤が、物語に深みを与えている。

 

 また、妲己や聞仲といった敵側にも、それぞれの正義がある。ただの「悪役」ではなく、彼らにも信念があるからこそ、戦いはよりドラマチックになるのだ。特に、聞仲の悲哀には心を打たれるものがあり、「正義とは何か?」を考えさせられる。


 結論:『封神演義』は今も色褪せない名作
 藤崎竜の『封神演義』は、原作の骨組みを残しつつも、大胆なアレンジと独自の解釈を加えたことで、唯一無二の作品となった。スピーディな展開、個性的なキャラクター、知略を駆使したバトル、そして深いテーマ性が見事に融合し、読者を魅了する。

 

 連載終了から20年以上が経つが、その魅力は今も色褪せない。もしまだ読んでいないなら、ぜひ一度手に取ってみてほしい。きっと、新たな「封神」の世界に引き込まれるはずだ。

  

 まとめ

歴史ファンタジーでありながらギャグ満載、しかしシリアスな展開もあり、いろいろな要素が含まれています。

 

 特に後半のストーリーでは、真の敵の存在に驚かされた。妲己がラスボスと思いきや、それ以上の存在が現れます。

 

 この作品の最大の魅力は本当に多数のキャラにあります。僕は、キャラクターの名前と、宝貝を覚えることに没頭していました。

 

 正直、一見ギャグ要素が強いと思いますが、とても深いストーリーに魅了されました。

 

 この漫画がマイナーなのかどうかはわかりません。前半は画力もあまり上手いとは思えないのですが、巻が進むにつれ、書き込まれた絵に魅了されます。興味が沸いた方に是非読んでいただきたいです。

 

ストーリー      ★★★★★

(後半に進むにつれ深くなっていく)

    キャラクター    ★★★★★

(捨てキャラがいない。僕的に)

  ファンタジー度  ★★★★★

(歴史に興味ないのに楽しめた)

    おすすめ度    ★★★★☆

(こういうジャンルが嫌いじゃないなら。)

    総評       ★★★★★

(23巻なので読みやすいかな)